寝台を立位にすると、圧迫フトンが適切な位置に入れにくくなると思うのですが
透視画像で圧迫フトンの挿入位置を確認することで、適切な位置に挿入できます。
圧迫フトンの入れる位置は体型や胃の形で変えているのでしょうか?
寝台を起こして胃を伸ばした(矯正した)際の透視画像を確認して、挿入位置を決定致します。ですので、体型・胃形で変えております。
圧迫フトンを使用することに当施設はとても消極的です。どのように行動するかご意見を伺いたい
胃がんX線検診においては「事業評価のためのがん検診チェックリスト」というものが厚生労働省から発行されております。
(ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/.../check_list.html)
その中で胃がん検診のためのチェックリストとして、「胃部エックス線撮影の体位及び方法は日本消化器がん検診学会の方式によるものとし、仕様書に体 位及び方法を明記しているか」と記載されております。これは日本消化器がん検診学会から刊行されている「新・胃X線撮影法ガイドラン」を示していると考えられます。この「新・胃X線撮影法ガイドライン」における前壁撮影(腹臥位二重造影正面位【頭低位】)では、「原則として圧迫用のフトンを挿入する」と明記されております。ですので、検査精度を担保するために使用して検査を行うことが妥当と考えます。ちなみに当院では年間約25000件の検査を行っており、原則圧迫用フトンを使用するようになってから15年経過しておりますが、フトンが苦痛であったとのクレームは特にございません。
圧迫フトンの消毒はどうしていますか?
エアキャップを使用して作成した圧迫フトンはアルコールで消毒しております。表面が布製のフトンは酒精綿やガーゼにアルコールを浸したもので使用毎に拭いています。
圧迫フトンを使用すると空気が抜けやすい印象があります
声掛けの工夫など対策があれば教えていただきたいです
つばを飲み込んで頂いたり、深呼吸をして頂くよう声掛けをしております。どうしても胃を圧迫するので、抜けやすくなりますが、声掛けと素早く撮影することを心掛けています。
二重造影が難しい体型の方もいると思います
その際に代替えの撮影を何かされていたら教えてください
代替えとして腹臥位圧迫撮影の有用性などがあればお聞きしたいです
圧迫用フトンの位置や厚みを変えたりしながらできる限り二重造影をトライしておりますが、それでも標的部位全体を二重造影像で網羅できない場合には、圧迫像として撮影をしています。また、その場合には、透視観察をより詳しく行うことや、そのような胃形・体型の場合、バリウムの流出が早いことが多いので、撮影の後半、胃内のバリウムが少なくなったタイミングで再度腹臥位二重造影を撮影することで対応しています。